くすりのサイト

くすりのことなどについて書いています。本ページはプロモーションが含まれています。

糖尿病

糖尿病用剤イニシンクとは 薬としての効果と副作用について

投稿日:2018年2月14日 更新日:

 

 

生活習慣病の糖尿病の治療において処方されることのあるイニシンク。

 

経口血糖降下薬としてはDPP-4阻害薬とビグアナイド類のメトホルミンの合剤のものになります。

 

DPP-4阻害薬とビグアナイド類のメトホルミンの合剤としてはエクメットに次ぐもので調剤薬局で調剤されることがそれほどない方です。

 

糖尿病用剤イニシンクとは 薬としての効果と副作用について紹介します。

 

スポンサーリンク

Contents

糖尿病用剤イニシンクとは

 

日本では2016年11月より販売されている、DPP-4阻害薬とインスリン抵抗性改善薬の合剤である「イニシンク」。

 

エクメットに比べ何か優れている点などとって代わるメリットなどがないので、エクメットよりも使われることはなかったようです。

 

ジェネリック医薬品はまだ発売されていませんから、薬の負担を減らそうとしてジェネリック医薬品の選択はできません。

 

イニシンクの成分名はアログリプチン/メトホルミン塩酸塩である。

 

糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの量が不足したり作用が弱まったりして血液中の糖分「血糖」が上がってしまう病気です。

 

血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリンで調節されています。

 

インスリンは膵臓にあるランゲルハンス島にあるβ細胞でつくられています。

 

食事などで血糖値が上昇すると、膵臓のβ細胞が働いてインスリンを分泌します。

 

そのインスリンは全身の臓器にとどくと、血糖を取り込んでエネルギーとして利用したり、たくわえたり、タンパク質の合成や細胞の増殖を促進したりします。

 

このように取り込まれた血糖はインスリンによって速やかに処理され血液中に一定の濃度で保たれています。

 

そのインスリンの量が不足したり働きが悪くなったりすると血液中の血糖を一定に保てなくなり糖尿病になるのです。

 

イニシンクは作用の違うDPP-4阻害薬とビグアナイド類のメトホルミンを組み合わせたお薬で、血糖降下作用の増強が見込めます。

 

 

 

警告

重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがあり、死亡に至った例も報告がある。乳酸アシドーシスを起こしやすい患者には投与しないこと。

 

腎機能障害または肝機能障害のある患者、高齢者に投与する場合には、定期的に腎機能や肝機能を確認するなど慎重に投与すること、特に75歳以上の高齢者では、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。

 

 

 

禁忌

本剤の成分またはビグアナイド系薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者

 

乳酸アシドーシスの既往がある場合

 

中等度以上の腎機能障害(腎臓における本剤の排泄が減少する)

 

透析患者(腹膜透析を含む)(高い血中濃度が持続するおそれ)

 

ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓等心血管系、肺機能に高度の障害のある患者及びその他の低酸素血症を伴いやすい状態(乳酸酸性が増加ずる)

 

過度のアルコール摂取者(肝臓における乳酸の代謝能が低下する)

 

脱水症、脱水状態が懸念される下痢、嘔吐などの胃腸障害のある患者

 

重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病の患者(インスリンの適用である)

 

重篤な肝機能傷害のある患者(低血糖を起こすおそれがある)

 

重篤な腎機能傷害のある患者(低血糖を起こすおそれがある)

 

重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者(インスリンの適応である)

 

栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全または副腎機能不全の患者

 

妊婦または妊娠している可能性のある婦人(胎盤を通過して胎児に悪い作用を及ぼす可能性がある)

 

 

 

用法用量

2型糖尿病(既にビルダグリプチンとメトホルミン塩酸塩を併用して状態が安定している場合、あるいはそれぞれの単剤で効果が不十分な場合に本剤の使用を検討すること)

通常、成人には1日1回1錠(アログリプチン/メトホルミン塩酸塩として25mg/500mg)を食直前または食後に経口投与する。

 

剤型

錠剤

イニシンク配合錠LD    174.20円/1錠(アログリプチン/メトホルミン塩酸塩として25mg/500mg)

 

本剤は2型糖尿病の第一選択薬としない。

 

糖尿病であることが確立した患者に対してのみ適用を考えること(他の疾患でないことを確認する)

 

食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。

 

本剤投与中は定期的に(高齢者は必要な場合は特に頻回に)腎機能検査を行うこと。

 

肝機能障害がある場合は本剤投与中は定期的に肝機能検査を行うこと。

 

本剤を2~3ヶ月投与しても効果が不十分な場合はより適切な治療への変更を検討すること。

 

常に投与の継続性の可否、投与量、薬剤の選択に注意すること。

 

低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与する時は注意すること。

 

本剤と他の糖尿病用剤の併用における安全性は検討されていない。

 

本剤とGLP-1受容体作動薬(GLPアナログ)との併用では有効性および安全性は確認されていない。

 

患者に対しては、低血糖症状およびその対処法について充分な説明を行うこと。

スポンサーリンク

 

 

 

慎重投与

不規則な食事摂取、食事摂取量の不足(低血糖を起こすおそれがある)

 

激しい筋肉運動をしている状態(低血糖を起こすおそれがある)

 

軽度の腎機能障害(乳酸アシドーシスを起こすおそれがある)

 

軽度~中等度の肝機能障害(乳酸アシドーシスを起こすおそれがある)

 

感染症(乳酸アシドーシスを起こすおそれがある)

 

SU剤またはインスリン製剤などの他の糖尿病用剤を投与中の患者(低血糖のリスクが増加するおそれがある)

 

脳下垂体機能不全または副腎機能不全の患者

 

栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足または衰弱状態の患者

 

激しい筋肉運動をする者

 

開腹手術の既往または腸閉塞の既往のある患者(腸内ガスなどの増加により、腸閉塞があらわれることがある)

 

ヨード造影剤との併用で乳酸アシドーシスを起こすことがある。

 

腎毒性の強い抗生物質(ゲンタマイシンなど)との併用で乳酸アシドーシスを起こすことがある。

 

利尿作用を有する薬剤(利尿剤、SGLT2阻害剤など)との併用で乳酸アシドーシスを起こすことがある。

 

血糖降下作用を増強する薬剤などと併用する場合は血糖降下作用の増強による低血糖症状に注意すること、(特にSU剤またはインスリン製剤との併用には注意すること)

低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣など)

対象薬剤

インスリン製剤、SU剤、速効型インスリン分泌促進薬、インスリン抵抗性改善薬(ピオグリタゾン、トログリタゾンなど)、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボースなど)、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、サリチル酸製剤(アスピリン、アスピリン・ダイアルミネート、など)、β-遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロールなど)、MAO阻害剤、クロフィブラート、ベザフィブラート、マリン系薬剤(ワルファリンカリウム)、タンパク同化ホルモン剤など

 

血糖降下作用を減弱する薬剤と併用する場合は血糖降下作用を減弱による高血糖症状に注意すること

高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭など)

対象薬剤

アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、卵胞ホルモン、利尿剤、ニコチン酸、フェノチアジン系薬剤、ピラジナミド、イソニアジドなど

 

シメチジンとの併用でメトホルミンやシメチジンの血中濃度が上昇し、それぞれの作用が増強されるおそれがある。

 

アンジオテンシン変換酵素阻害剤を併用すると低血糖が起こりやすいとの報告がある。

 

高齢者では生理機能が低下していることが多いため、また脱水症状を起こしやすいので、乳酸アシドーシスを起こすリスクを考慮して慎重に投与すること。

 

授乳中の婦人には投与は避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。(動物実験でそれぞれの薬剤の乳汁中への移行が報告されている)

 

低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していない。(使用経験はない)

 

薬としての効果

 

イニシンクは作用の違うDPP-4阻害薬とビグアナイド類のメトホルミンを組み合わせたお薬で、血糖降下作用の増強が見込めます。

 

2剤の配合でインスリン分泌不全やインスリン抵抗性という糖尿病の原因となるものの改善がもたらされます。

 

DPP-4阻害薬のインスリン分泌促進作用は血糖依存性なので、低血糖の発現リスクは比較的に低いほうです。

 

原則として、第一選択薬にはなりません。まずは単剤での治療を優先します。

 

アログリプチンとメトホルミン塩酸塩を併用して状態が安定している場合、あるいはそれぞれの単剤で効果が不十分な場合に本剤の使用を検討します。

 

副作用について

 

主な副作用としては、低血糖(他の糖尿病薬と併用する場合)、下痢(40.9%)、悪心(15.2%)、食欲不振(12.3%)、腹痛(10.5%)、などである。(承認時)

 

その他では、発疹、そう痒、じんましん、腹部膨満、鼓腸、腹痛、便秘、胃腸炎、浮腫、頭痛、めまい、四肢のしびれ、倦怠感、鼻咽頭炎、動悸、関節痛、筋肉痛、貧血、消化不良、嘔吐、肝機能異常、乳酸上昇などがあります。

 

重大な副作用

乳酸アシドーシス

低血糖(特にSU剤やインスリン製剤との併用で)

急性膵炎

肝炎、肝機能障害、黄疸

ひどい皮膚症状

横紋筋融解症(筋肉痛、脱力感、CK上昇など)

腸閉塞

間質性肺炎(咳嗽、呼吸困難、発熱など)

類天疱瘡(水疱、びらんなど)

 

まとめ

 

イニシンクは作用の違うDPP-4阻害薬とビグアナイド類のメトホルミンを組み合わせたお薬で、血糖降下作用の増強が見込めます。

 

2剤の配合でインスリン分泌不全やインスリン抵抗性という糖尿病の原因となるものの改善がもたらされます。

 

DPP-4阻害薬のインスリン分泌促進作用は血糖依存性なので、低血糖の発現リスクは比較的に低いほうです。

 

原則として、第一選択薬にはなりません。まずは単剤での治療を優先します。

 

アログリプチンとメトホルミン塩酸塩を併用して状態が安定している場合、あるいはそれぞれの単剤で効果が不十分な場合に本剤の使用を検討します。

 

主な副作用としては、下痢(40.9%)、悪心(15.2%)、食欲不振(12.3%)、腹痛(10.5%)などがあり。

 

乳酸アシドーシスにも注意しましょう。また他の糖尿病用剤との併用では低血糖に注意が必要になります。

 

重大な副作用としては、まれですが、急性膵炎や肝機能障害、腸閉塞、横紋筋融解症などの報告がありますから注意しましょう。

スポンサーリンク

このサイトについて

ここには、自己紹介やサイトの紹介、あるいはクレジットの類を書くと良いでしょう。

検索

このサイトについて

ここには、自己紹介やサイトの紹介、あるいはクレジットの類を書くと良いでしょう。

検索

-糖尿病

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

糖尿病用剤アクトスとは 薬としての効果と副作用について

  スポンサーリンク   生活習慣病の糖尿病の治療において処方されることのあるアクトス。   経口血糖降下薬としてはチアゾリジンジオン(TZD)類のものになります。 &n …

糖尿病性神経障害の薬剤キネダックとは薬としての効果と副作用について

  スポンサーリンク   生活習慣病の糖尿病を治療していると、痛みやしびれを伴うことがあります。   まずは、糖尿病の進行を抑えることが大事ですが、その痛みやしびれにもお …

糖尿病用剤ヒューマリンNとは薬としての効果と副作用について

  スポンサーリンク   生活習慣病の糖尿病の治療において処方されることのあるヒューマリンN。   インスリン製剤としては中間型インスリンのものになります。   …

糖尿病用剤オイグルコンとは 薬としての効果と副作用について

  スポンサーリンク   生活習慣病の糖尿病の治療において処方されることのあるオイグルコン。   経口血糖降下薬としてはスルフォニル尿素系の第二世代のものになります。 & …

糖尿病用剤ノボラピッド70ミックスとは薬としての効果と副作用について

  スポンサーリンク   生活習慣病の糖尿病の治療において処方されることのあるノボラピッド70ミックス。   インスリン製剤としては混合型インスリンのものになります。 & …

病院や調剤薬局で勤務経験豊富な薬剤師の目線から情報を提供していきます。