春が近づいてくると花粉症で憂鬱になる人がいます。
なかには、秋になっても同じように花粉症になる人もいるようです。
そんな人を見ていると涙目になって大変そうに思えます。
花粉症の治療薬バイナスとは 薬としての効果と副作用について紹介します。
花粉症の治療薬バイナスとは
日本では2000年5月より販売されている、抗アレルギー薬の1つである「バイナス」。
ジェネリック医薬品はまだ発売されていないので、薬の負担を減らすためにジェネリック医薬品を選択することはできません。
バイナスの成分名はラマトロバンである。
花粉症の症状には、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3大症状と、目のかゆみを加えた4大症状があります。
その症状が出るのは、花粉が鼻粘膜や目の粘膜などに付着してアレルギー反応がでることによります。
くしゃみは花粉などの異物を外に出そうとすることにより起こります。
ひどいときは続けて何回もすることがあるようですね。
鼻水は、同じように異物を洗い流そうとすることにより起こります。
ウイルスや細菌などと戦っているわけではないので、粘り気のある色の付いた鼻水ではありません、透明でさらさらしている鼻水です。
鼻づまりは、別に鼻に鼻水が詰まっているわけではないのです、鼻の粘膜が炎症で腫れて鼻水の通り道が狭くなってつまったように感じるだけです。
花粉症が進んでからの方が鼻づまりは起こりやすいですね。
そして、もう1つの症状、目のかゆみは目の粘膜に異物がつくことで炎症が起こり、かゆみとして感じることになります。
時には、違和感や痛みを感じることもあるようです。
これらの4大症状以外にも、のどの痛み、たんのでない乾いた咳、肌荒れ、耳のかゆみ、熱感、倦怠感、頭重などさまざまな症状がでることがあります。
これらの症状はヒスタミンなどの物質が肥満細胞から放出されることにより出てくるようになります。
バイナスは、鼻水やくしゃみなどのアレルギー症状をもたらすトロンボキサンという化学物質を主に抑制することで、花粉症を改善することになります。
禁忌
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
用法用量
アレルギー性鼻炎
通常、成人にはラマトロバンとして1回75mgを1日2回、朝食後及び夕食後(または就寝前)に経口投与する。
高齢者は1回50mgを1日2回から投与を開始する。
剤型
錠剤
バイナス錠50mg 84.20円/1錠(2008年4月販売開始)
バイナス錠75mg 107.10円/1錠
季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考慮して、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。
慎重投与
出血傾向のある患者(出血を助長するおそれがある)
月経期間中の患者(出血を助長するおそれがある)
肝障害のある患者(肝機能異常を起こすことがある)
抗血小板剤(チクロピジンなど)、血栓溶解剤(ウロキナーゼなど)、抗凝血剤(ヘパリン、ワルファリンなど)との併用で出血傾向の増強が見られることがある。
サリチル酸系製剤(アスピリンなど)との併用で本剤の血中濃度の上昇がみられることがある。
テオフィリン(テオドール)との併用で本剤の血中濃度の上昇がみられることがある。
高齢者に投与する際には、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与すること。
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。(動物実験で乳汁中への移行が報告されている)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験が少ない)
薬としての効果
バイナスは抗アレルギー薬で、アレルギーに関連するトロンボキサンA2という化学伝達物質を抑制して効果をあらわします。
そのほかでは、炎症細胞上のプロスタグランジンD2受容体にも作用して効果をあらわします。
抗ヒスタミン薬が苦手とする「鼻づまり」に対して良い効果が期待できます。
副作用について
主な副作用としては、眠気(0.4%)、頭痛・頭重(0.2%)、下痢(0.2%)、胃不快感(0.1%)、動悸(0.1%)、嘔気(0.1%)などである。(再審査終了時)
その他の副作用としては、発疹、そう痒、APTT延長、尿潜血、歯肉出血、鼻出血、皮下出血、紫斑、月経延長、プロトロンビン時間延長、腹痛、便秘、好酸球増多、めまい、GPT上昇、GOT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇、などがあります。
重大な副作用
肝炎、肝機能障害、黄疸(0.1%未満)
まとめ
バイナスは抗アレルギー薬で、アレルギーに関連するトロンボキサンA2という化学伝達物質を抑制して効果をあらわします。
そのほかでは、炎症細胞上のプロスタグランジンD2受容体にも作用して効果をあらわします。
抗ヒスタミン薬が苦手とする「鼻づまり」に対して良い効果が期待できます。
主な副作用としては、眠気(0.4%)、頭痛・頭重(0.2%)、下痢(0.2%)、胃不快感(0.1%)、動悸(0.1%)、嘔気(0.1%)などです。
重い副作用はまずないですが、長期に服用する場合には、定期的に肝機能検査を受けておくほうがよいでしょう。