生活習慣病の高血圧症の治療においてアンジオテンシンⅡ受容体阻害薬は、昇圧物質「アンジオテンシンⅡ」の作用を抑えることで血圧を下げることになります。
この系統はACE阻害薬とよく似た作用機序ですが、ACE阻害薬の咳嗽の副作用がほぼみられないので使いやすい薬剤になります。持続性があるので1日1回で済むのも利点ですが、割高なのが問題です。
そのような薬を単剤でのんでいても効き目がイマイチの場合に利尿薬と併用することで解決されることもあるようです。
そのため、一度の服用で2つの薬剤が投与できるようアンジオテンシンⅡ受容体阻害薬と利尿薬の合剤が作られました。
高血圧症治療薬ミコンビとは、薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
高血圧症治療薬ミコンビとは
日本では2009年6月より販売されている、血圧を下げるために使われるアンジオテンシンⅡ受容体阻害薬と利尿薬との合剤の1つである「ミコンビ」。
国内で販売されたアンジオテンシンⅡ受容体阻害薬と利尿薬との合剤で、処方頻度はほどほどにある方です。
ジェネリック医薬品が発売されているので、薬の負担を減らそうとジェネリック医薬品の選択ができます。
ミコンビの成分名はテルミサルタン・ヒドロクロロチアジドです。
高血圧の自覚症状はこれといったものがないようです。
長く続いた高血圧から合併してできた症状で結果的に知ることになることが多いようです。
そしてその発症は、生活習慣の乱れなどからいろんなことが原因となり起こりえます。
その原因には、塩分の摂りすぎなどによる心拍出量の増加(心臓が送り出す血液が増える)や循環血液量の増加(体の中を流れる血液が増える)や末梢血管の抵抗の増加(末梢の血管の流れが悪くなる)や脱水症状を起こしたり、食習慣の悪化などによる血液の粘調度の増加(血液の粘調度で流れにくくなる)または、食習慣の悪化による動脈の硬化や劣化の増加(血管の弾力性がなくなり流れが悪くなる)などがあります。
ミコンビはアンジオテンシンⅡが作用する部位に結合し、アンジオテンシンⅡの作用を抑えることにより、末梢血管を拡張させるアンジオテンシンⅡ受容体阻害薬の作用と利尿薬の作用で血圧を下げることになります。
禁忌
本剤の成分あるいはチアジド系薬剤またはその類似化合物(クロルタリドンなどのスルフォンアミド誘導体など)に対する過敏症の既往歴のある患者
妊婦または妊娠している可能性のある婦人
胆汁の分泌が極めて悪い患者または重篤な肝障害のある患者
無尿の患者または透析中の患者(効果が期待できない)
急性腎障害の患者(症状を悪化させるおそれがある)
体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者(電解質失調を悪化させるおそれがある)
アリスキレンフマル酸塩(ラジレス)を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)
用法用量
高血圧症
通常、成人にはテルミサルタン/ヒドロクロロチアジドとして40mg/12.5mgまたは80mg/12.5mgを1日1回経口投与する。
本剤は高血圧治療の第一選択薬としては用いないこと。
剤型
錠剤
ミコンビ配合錠AP 112.40円/1錠
ミコンビ配合錠BP 163.70円/1錠
使用上の注意
両側性腎動脈狭窄のある患者または片腎で腎動脈狭窄のある患者(急速に腎機能が悪化するおそれがある)
高カリウム血症の患者(症状が悪化するおそれがある)
腎障害のある患者(過度の血圧低下により腎機能が悪化するおそれがある)
肝障害、肝疾患のある患者、特に胆汁性肝硬変及び胆汁性うっ滞のある患者(本剤の血中濃度を上昇させるおそれがある)
脳血管障害のある患者(症状を悪化させるおそれがある)
減塩療法中の患者(低ナトリウム血症を起こすおそれがある)
厳重な減塩療法中の患者には一過性の急激な血圧低下を起こす場合があるので慎重に投与する。
重篤な冠硬化症または脳動脈硬化症のある患者(急激な利尿があらわれた場合、急激な血漿量減少、血液濃縮をきたし、血栓塞栓症を誘発するおそれがある)
本人または両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者(痛風、血糖値の悪化や顕性化のおそれがある)
下痢、嘔吐のある患者(電解質失調を起こすおそれがある)
高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者(血清カルシウムを上昇させるおそれがある)
交感神経切除後の患者(本剤の降圧作用が増強される)
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。
めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転などの危険を伴う機械を操作する際には注意すること。
ジギタリス剤(ジゴキシン、ジギトキシン)との併用でこれらの薬剤の作用を増強し、ジギタリス中毒を起こすおそれがある。
カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン(アルダクトン)、トリアムテレン(トリテレン)、エプレレノン(セララ)など)、カリウム補給剤(塩化カリウムなど)、トリメトプリム含有製剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム)との併用で血清カリウム値が上昇することがある。
リチウム製剤(炭酸リチウム)との併用でリチウム中毒を起こすことが報告されている。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(ボルタレン、ロキソニンなど)・COX-2選択的阻害剤との併用で降圧作用が減弱するおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(ボルタレン、ロキソニンなど)・COX-2選択的阻害剤との併用で腎機能を悪化させるおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(ボルタレン、ロキソニンなど)・COX-2選択的阻害剤との併用でチアジド系薬剤の作用が減弱するおそれがある。
アリスキレンフマル酸塩(ラジレス)との併用で腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤(アデカット、レニベース、ロンゲスなど)との併用で腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。
バルビツール酸誘導体(フェノバルビタールなど)、アヘンアルカロイド系麻薬(MSコンチンなど)、アルコールとの併用で本剤の降圧作用が増強されることがある。
昇圧アミン(ノルアドレナリン、アドレナリン)との併用でこれらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある。
ツボクラリン及びその類似作用物質(ツボクラリン塩化物など)との併用でこれらの薬剤の神経・筋遮断作用が増強されることがある。
β遮断剤、ニトログリセリンなどとの併用で本剤の降圧作用が増強するおそれがある。
乳酸ナトリウムとの併用で代謝性アルカローシス、低カリウム血症を増強することがある。
糖質副腎皮質ホルモン剤、ACTHとの併用で低カリウム血症が発現するおそれがある。
グリチルリチン製剤との併用で血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。
コレスチラミン(クエストラン)との併用で利尿降圧作用が減弱する。
糖尿病用剤(SU剤、インスリン)との併用でこれらの薬剤の作用を減弱するおそれがある。
スルフィンピラゾン(アンツーラン)との併用でこの薬剤の尿酸排泄作用を減弱することがある。
高齢者は生理機能が低下していることが多いので、副作用(脳梗塞など)が出やすく、本剤の投与には慎重に対応すること。
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。(動物実験で有害事象が認められている)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立されていない。(使用経験がない)
薬としての効果
ミコンビはアンジオテンシンⅡが受容体に作用するのを抑制して、末梢血管を拡張させたり利尿作用により血圧を下げることになります。
本剤は第一選択としては使わず、単剤として効果が不十分な場合に使用します。咳の副作用が出にくいアンジオテンシンⅡ受容体阻害薬(ARB)と少量利尿薬との配合で、ARBのテルミサルタンがAPが40mg、BPが80mg、ヒドロクロロチアジドの含量はそれぞれ通常量の1/2である12.5mg含まれています。それで、その他の副作用も比較的少ないようで、長期維持療法に適しているとされています。
持続性があり1日1回で済むので使いやすいお薬です。
副作用について
主な副作用としては、めまい、倦怠感、頭痛、頻尿、高尿酸血症、光線過敏症、低血圧、高血糖症、肝機能異常、脂質異常症、等である。
その他では、発疹、立ちくらみ、眠気、不眠、起立性低血圧、動悸、咳、筋肉痛、食欲不振、腹痛、膵炎、下痢、便秘、口内炎、口渇、嘔吐、貧血、浮腫、味覚障害、低カリウム血症、血中クレアチニン増加、GOT上昇、GPT上昇、LDH上昇、Al-P上昇、血清カルシウム上昇、CK上昇、白血球減少などである。
重大な副作用
血管浮腫
高カリウム血症(0.5%未満)
低ナトリウム血症(0.5%未満)
腎機能障害(0.5%未満)
ショック、失神、意識消失
肝機能障害(0.5%未満)、黄疸
低血糖
アナフィラキシー
再生不良性貧血、溶血性貧血
間質性肺炎、肺水腫、肺臓炎を含む呼吸窮迫症
横紋筋融解症
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少
肝機能障害、黄疸
急性近視、閉塞隅角緑内障
壊死性血管炎
全身性紅斑性狼瘡の悪化
まとめ
ミコンビはアンジオテンシンⅡが受容体に作用するのを抑制して、末梢血管を拡張させたり利尿作用により血圧を下げることになります。
本剤は第一選択としては使わず、単剤として効果が不十分な場合に使用します。咳の副作用が出にくいアンジオテンシンⅡ受容体阻害薬(ARB)と少量利尿薬との配合で、ARBのテルミサルタンがAPが40mg、BPが80mg、ヒドロクロロチアジドの含量はそれぞれ通常量の1/2である12.5mg含まれています。それで、その他の副作用も比較的少ないようで、長期維持療法に適しているとされています。
持続性があり1日1回で済むので使いやすいお薬です。
この系統が処方されることが増えてきています。
主な副作用としては、めまい、倦怠感、頭痛、頻尿、高尿酸血症、光線過敏症、低血圧、高血糖症、肝機能異常、脂質異常症、です。
もともと腎臓が悪い人では、腎機能が悪化したり、高カリウム血症になることもあり得ますので注意しましょう。
重い副作用はほとんどありませんが、薬が効きすぎると血圧が下がりすぎて、強いめまいや立ちくらみを起こしたり、失神なども起こりえます。
また、肝障害や血液浮腫に念のため注意しておく必要があるようです。