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アレルギー性鼻炎

ゾレア(オマリズマブ)とは 作用機序と効能追加について

投稿日:

 

花粉が飛ぶ季節になれば、憂鬱になる人々はたくさんいます。

 

そのためにアレルギー関連の治療薬はいろいろあります。

 

そんな中、昨年に発売された抗体製剤が注目されています。

 

ゾレア(オマリズマブ)とは 作用機序と効能追加について解説します。

 

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Contents

ゾレア(オマリズマブ)とは

 

ゾレアはアメリカGenentech社で創薬され、スイスのノバルティスがライセンスを取得した世界初のヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体製剤である。

 

日本国内において、

成人の気管支喘息の治療薬として2009年1月(150mg凍結乾燥製剤)および2012年9月(75mg凍結乾燥製剤)に、

小児の気管支喘息の治療薬としては2013年8月に、

また、慢性じんましん治療薬として2017年3月に承認を取得している。

 

2019年3月26日には、より簡便に投与でき、かつ調整ミスを防止するべくして生まれた、シリンジに充填された注射液製剤(皮下注用75mgシリンジ、皮下注用150mgシリンジ)が追加承認されることになりました。

 

2019年4月現在、世界90ヶ国以上で気管支喘息の治療薬として、また、世界80ヶ国以上で慢性じんましんの治療薬として承認され使われています。

 

 

気管支喘息では(用量表記はオマリズマブとする)、

通常、用法用量は1回75mg~600mgを2または4週間ごとに皮下に注射するとなっています。

1回あたりの投与量並びに投与間隔は、初回投与前の血清中総IgE濃度及び体重に基づき細かく決められている。

 

突発性の慢性じんましんでは(用量表記はオマリズマブとする)、

通常、用法用量は成人及び12歳以上の小児には1回300mgを4週間ごとに皮下に注射する。

 

これまでの記述にもあるように、製品は(用量表記はオマリズマブとする)1瓶に75mg含むもの、150mg含むもの、1シリンジ中に75mg含むもの、150mg含むもの、の4種類である。

 

 

今のところ効き目は良好のようで、患者のブログにはうれしい声が書き綴られている。

 

まあ、苦しい日常が改善されれば、誰でも喜びますね。

 

 

ただ、効果は期待できるが、薬価がかなり高額で値段が高くなるため患者負担および保険者の負担も相当なものとなる。

 

効果のあるものを広めていきたいですが、適応の追加を増やしていくと医療費の高騰を招きかねない。

 

2020年1月時点でのゾレアの薬価

ゾレア皮下注用75mg :23556円/瓶

ゾレア皮下注用150mg:46422円/瓶

ゾレア皮下注75mgシリンジ :23625円/筒

ゾレア皮下注150mgシリンジ:46490円/筒

 

仮に1回あたり600mgを2週間ごとに投与する、それも簡便性と正確性をもたらすシリンジ製剤でとなると、1回分は46490x4=185960円、1ヶ月で185960x2=371920円であり、

 

花粉症の多い2月~5月に使用したとなると150万円近くになります。

 

なので、いろんな制限(対象患者など)がかけられています。

 

もし、市場に出回り患者に使用され1000億円を超える規模になれば「費用対効果評価」にて薬価改定(薬価の引き下げ)が行われます。

 

 

副作用は、

 

主なものとして、

注射部位の紅斑・かゆみ・腫れ・痛み、

頭痛、じんましん、鼻咽頭炎、紅斑、吐き気、かゆみなどです。

他には、気管支けいれん、呼吸困難、血圧低下、失神、舌・口唇浮腫、咽・喉頭浮腫など、

ショックやアナフィラキシーの一環ででるものがほとんどです。

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作用機序

 

ゾレアは、アレルギー反応に関与しているフリーIgEに直接結合し、その作用を特異的に阻害することで、

 

好塩基球および肥満細胞の脱顆粒によるヒスタミンなどの炎症性メディエーターの放出を抑制し、

 

気管支喘息および突発性の慢性じんましんなどの根底にあるⅠ型アレルギー反応を阻止します。

 

抗原抗体反応を使い、抗体を標的物質に結合させることで作用を抑制する新しいお薬です。

 

効能効果追加

 

季節性アレルギー性鼻炎は植物の花粉でひきおこされ、IgEを介するⅠ型アレルギーである。

 

主な症状は、発作・反復性のくしゃみ、水様性鼻漏(水のようにさらさらの鼻水)、鼻閉(鼻づまり)になります。

 

重症度は4段階に分類され、軽度、中等度、重症、最重症があります。

 

季節性アレルギー性鼻炎の治療法はたくさん市場に出回っているが、それらの治療では症状をコントロールできない重症または最重症の患者がある程度存在します。

 

そのような患者さんは、症状がかなり強く、生活の質や労働生産性の低下がみられ、うんざりする生活を送っています。

 

そのことを改善するのが臨床上の重要な課題となっていました。

 

2019年12月11日、ゾレアは既存治療で効果不十分な重症または最重症の季節性アレルギー性鼻炎の適応追加承認を取得した。(2018年12月6日に承認申請)

 

季節性アレルギー性鼻炎に対する抗体製剤の承認は世界初である。

 

今回、季節性アレルギー性鼻炎の効能が追加され(用量表記はオマリズマブとする)、

その用法用量は、通常成人及び12歳以上の小児には1回1回75mg~600mg2または4週間ごとに皮下に注射するとなっています。

1回あたりの投与量並びに投与間隔は、気管支喘息と同様にするとされています。

 

今後、一部の重症、最重症の患者の生活の質や労働生産性の改善がもたらされることになるでしょう。

 

ただ、軽症や中等度の患者には適応はない。

 

参考記事⇒花粉症の症状や原因とは 風邪の症状との違いとそれぞれの薬について

 

まとめ

 

季節性アレルギー性鼻炎の治療法はいろいろあります、それらの治療では症状をコントロールできない重症または最重症の患者が改善されることを期待します。

 

ただ、そのような状態になるには、なんらかの生活習慣が原因で引き起こされていることもありえます。

 

できれば、根本的な原因を取り除いて解決できる方がいいですが、なかなか難しい面もあるでしょう。

 

薬で解決できるのなら、それを望む人々は多いのかなと思われます。

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