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帯状疱疹

帯状疱疹の痛みに使うアナフラニールとは 薬としての効果と副作用について

投稿日:2017年12月1日 更新日:

 

 

あの痛みを伴う帯状疱疹にかかるのは免疫力が弱っている人になります。

 

帯状疱疹が進行すると神経障害性の疼痛が出てくるようになります。

 

そんなときには普通の痛み止めでは効かなくなってきますから、

 

それ用の痛み止めを選択しなければなりません。

 

帯状疱疹の痛みに使うアナフラニールとは、薬としての効果と副作用について紹介します。

 

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Contents

帯状疱疹の痛みに使うアナフラニールとは

 

日本では1974年2月に薬価収載されている(10mg錠)、帯状疱疹により引き起こされる末梢性の神経障害性の疼痛に効果が期待できる藥の1つである「アナフラニール」。

 

ジェネリック医薬品は発売されていませんので、薬剤費は安くすることはできません。

(もともと安いお薬なので、ジェネリック医薬品になってもかわらないのだとおもわれます)

 

帯状疱疹後神経痛などの末梢性神経障害性疼痛に対する適応はまだ認められていないので、保険での支払いはできません。

 

アナフラニールの成分名はクロミプラミンである。

 

帯状疱疹はヘルペスウイルスの1種、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。

水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染すると、水ぼうそうとして発症します。

治療により水ぼうそうが治ったあと、水痘・帯状疱疹ウイルスは体内の神経節に潜んでいます(潜伏感染)。

 

その後、加齢やストレス、過労などが引き金となってウイルスに対する免疫力が低下すると、かくれていたウイルスが再び活動をはじめ、神経を伝わって皮膚までやってきて、帯状疱疹として発症することになります。

帯状疱疹を発症して、最初の頃はピリピリ、チクチクした痛みが感じられるようになります。

そしてその痛みの程度が日増しに強くなっていきます。

 

これはウイルスが神経細胞を痛めつけながら移動するためで、その障害の程度でいろんな痛みを感じるようになっていきます。

帯状疱疹が進行すると神経障害性の痛みが大半を占めるようになります。

 

痛みを抑える神経「下行性疼痛抑制神経」にはノルアドレナリン作動性神経とセロトニン作動性神経の2つの系統があります。

アナフラニールはこの2つの神経機能を高めることで一次求心性神経から二次求心性神経への痛みのバトンタッチを抑制して鎮痛作用を示します。

(アナフラニールは古くからある第一世代の三環系抗うつ薬で、時間がかかりますが作用は強めです。)

 

 

 

禁忌

1)緑内障のある患者(緑内障が悪化するおそれがある)

 

2)三環系抗うつ薬に対し過敏症のある患者

 

3)心筋梗塞の回復初期の患者(心筋梗塞が悪化するおそれがある)

 

4)尿閉(前立腺疾患など)のある患者(症状が悪化するおそれがある)

 

5)モノアミン酸化酵素阻害剤(エフピー(セレギリン))を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者(血中のトリプタノールの濃度が上がる)

 

6)QT延長症候群のある患者(心室性不整脈を起こすおそれがある)

 

 

 

用法用量

末梢神経障害性疼痛(帯状疱疹後神経痛など)には適応がないので正式な情報はありません、医師が補助薬として使うことがあるようです。

なので用法用量は定められていないのですが、アミトリプチリンの用法用量より推測すると以下のようだと思われます。

通常、成人には1日50mgを初期用量とし、その後、年齢、症状により適宜増減するが、1日225mgを超えないこと。

 

帯状疱疹後神経痛に対して投与する場合には、自殺念慮、自殺企図、敵意、攻撃性などの精神症状の発言リスクを考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。

 

投与の急激な減少ないし投与の中止により、嘔気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害などの離脱症状があらわれることがある。投与を中止するには、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

 

本剤投与中の患者には、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

 

連用中は定期的に肝・腎機能検査及び血液検査を行うことが望ましい。

 

剤型は

錠剤

アナフラニール錠10mg  9.4円/1錠

アナフラニール錠25mg 18.4円/1錠

 

 

 

慎重投与

排尿困難のある患者(症状が悪化するおそれがある)

 

眼内圧亢進のある患者(症状が悪化するおそれがある)

 

心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害など)などの心疾患のある患者(症状が悪化するおそれがある)

 

てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの既往歴のある患者(けいれんを起こすことがある)

 

躁鬱病患者(躁転、自殺企図があらわれることがある)

 

脳の器質障害または総合失調症の素因のある患者(精神症状を憎悪させることがある)

 

衝動性が高い併存障害を有する患者(精神症状を憎悪させることがある)

 

自殺念慮または自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者(自殺念慮、自殺企図があらわれることがある)

 

副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫、神経芽細胞腫など)のある患者(高血圧発作を引き起こすことがある)

 

重篤な肝・腎障害のある患者(副作用があらわれやすくなる)

 

低血圧のある患者(QT延長のリスクがある)

 

低カリウム血症のある患者(QT延長のリスクがある)

 

高度な慢性の便秘のある患者(症状が悪化することがある)

 

アーテン(トリヘキシフェニジル)、アトロピンなどとの併用で口渇、便秘、尿閉、視力障害、眠気などがあらわれることがある。

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サラジェン(ピロカルピン塩酸塩)、サリグレン(セビメリン)との併用でこれらの薬剤の作用が減弱されることがある。

 

アドレナリンやノルアドレナリン、ネオシネジン(フェニレフリン)などとの併用でアドレナリン作動薬の作用が増強されることがある。

 

ストラテラ(アトモキセチン)との併用で相互に作用が増強するおそれがある。

 

チオペンタールなど(バルビルツール酸誘導体)、ハロタンなど(全身麻酔剤)、ソラナックスなど(アルプラゾラム(抗不安剤))、アルコール、サリドマイドとの併用で中枢神経抑制作用が増強されることがある。

 

ニューレプチル・ピーゼットシーなど(フェノチアジン系製剤)との併用で鎮静、抗コリン作用の増強があらわれることがある。、

 

チオペンタールなど(バルビルツール酸誘導体)、アルコールとの併用で中枢神経抑制作用が増強されることがある。

 

デプロメール(フルボキサミン)、パキシル(パロキセチン)などとの併用でアナフラニールの作用が増強され、セロトニン症候群があらわれるおそれがある。

 

トレドミン(ミルナシプラン)、リーマス(リチウム製剤)、トリプタノール(アミトリプチリン)・トフラニール(イミプラミン)など(三環系抗うつ剤)、トラマール(トラマゾール塩酸塩)、ザイボックス(リネゾリド)との併用でセロトニン症候群があらわれるおそれがある。

 

チオペンタールなど(バルビルツール酸誘導体)、アレビアチン(フェニトイン)、テグレトール(カルバマゼピン)、リファジン(リファンピシン)などとの併用でアナフラニールの作用が減弱するおそれがある。

 

アレビアチン(フェニトイン)との併用でアレビアチンの作用が増強することがある。

 

キニジン、プロノン(プロパフェノン)、リタリン(メチルフェニデート)、タガメット(シメチジン)、ソフィアA・Cなど(黄体・卵胞ホルモン製剤)、レグパラ(シナカルセト)、インビラーゼ(サキナビル)との併用でアナフラニールの作用が増強するおそれがある。

 

ラミシール(テルビナフィン)との併用でトフラニールの作用を増強することがあるとの報告があるので併用する場合には注意すること。

 

レクシヴァ(ホスアンプレナビル)との併用でレクシヴァの血中濃度が上昇する可能性がある。

 

イスメリン(グアネチジン硫酸塩)との併用で降圧剤の作用を減弱することがある。

 

インスリン、グリベンクラミド・グリクラジド(スルフォニル尿素系血糖降下剤)との併用で血糖降下作用が増強されることがある。

 

ワーファリン(ワルファリンカリウム)とノルトレンとの併用で抗凝血作用が増強されるとの報告があるので注意すること。

 

バクタ(スルファメトキサゾール・トリメトプリム )との併用で抑うつが再発または悪化することがある。

 

電気ショック療法との併用で痙攣状態に陥るおそれがある。

 

スーテント(スニチニブ)、スプリセル(ダサチニブ)、ルジオミール(マプロチリン)などと併用するとQT延長、心室性不整脈などを起こすおそれがある。

 

ミニリンメルト(デスモプレシン)との併用で低ナトリウム血症性の痙攣発作を起こすことがある。

 

エクセグラン(ゾニサミド)との併用で高血圧、失神、不全収縮、発汗、てんかん、動作・神経障害の変化及び筋強剛などの副作用があらわれることがある。

 

高齢者では、起立性低血圧、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼内圧亢進などがあらわれやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。

 

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。

 

本剤投与中は授乳を中止させること。

 

小児に投与する場合には4歳以上に投与することが望ましい。(低出生体重児、新生児または乳児に対する使用経験がない)

 

長期投与によりう歯発現の増加を招くことが報告されている。

 

投与中にコンタクトレンズを使用している場合、角膜上皮の障害があらわれるおそれがある。(涙液減少の副作用による)

 

薬としての効果

 

アナフラニールは帯状疱疹の独特の痛みである神経障害性疼痛に第一選択薬として出されることのあるお薬である。

 

まだ正式には末梢神経障害性疼痛(帯状疱疹後神経痛など)の適用が認められていないので、補助的に使うことが多く、使用の効果についてのデーターほとんどないようです。

 

口渇など副作用が出やすい藥のようです。

 

副作用について

 

主な副作用としては、口渇(17.9%)、眠気(7.7%)、立ちくらみ・めまい・ふらつき(7.3%)、食欲減退(3.9%)である。

 

その他では起立性低血圧、心電図異常、血圧上昇、不眠、振戦などのパーキンソン症状、光線過敏症、脱毛、白血球減少、血小板減少、好酸球増多、GOT上昇、GPT上昇、眼内圧亢進、緑内障、尿閉、プロラクチンの分泌促進、乳房肥大、体重増加、味覚異常、食欲亢進、浮腫、めまい、頭痛、倦怠感、異常高熱などがあります。

 

重大な副作用では(滅多にないですが)

悪性症候群(急激な体温上昇や意識障害など)

セロトニン症候群(自律神経、中枢神経、末梢神経に影響が出る)

てんかん発作

横紋筋融解症(筋肉痛、脱力感、CK上昇など)

無顆粒球症(発熱やだるさが出たりします)、汎血球減少

麻痺性イレウス(便とガスがたまり腸管が拡張)

間質性肺炎、好酸球性肺炎(発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常など)

QT延長、心室頻拍、心室細動

抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(体内に水分がたまってしまう状態)

肝機能障害、黄疸

 

まとめ

 

帯状疱疹の独特な痛みを改善する薬の補助として処方されることがあるアナフラニールはまだ十分な治療データがないようです。

 

口渇など副作用が出やすいお薬になりますから慎重に投与することになります。

 

飲み合わせの悪い薬があるので、事前に服用していた薬について医師に伝えておくべきです。

 

アナフラニールはジェネリック医薬品はがありませんが、薬価が安いので必要性はなさそうです。

 

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