あの痛みを伴う帯状疱疹にかかるのは免疫力が弱っている人になります。
帯状疱疹が進行すると神経障害性の疼痛が出てくるようになります。
そんなときには普通の痛み止めでは効かなくなってきますから、
それ用の痛み止めを選択しなければなりません。
帯状疱疹の痛みに使うノリトレンとは、薬としての効果と副作用について紹介します。
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帯状疱疹の痛みに使うノリトレンとは
日本では1972年2月に薬価収載されている(10mg錠)、帯状疱疹により引き起こされる末梢性の神経障害性の疼痛の第一選択薬の1つである「ノリトレン」。
ジェネリック医薬品は発売されていませんので、薬剤費は安くすることはできません。
(もともと安いお薬なので、ジェネリック医薬品になってもかわらないのだとおもわれます)
帯状疱疹後神経痛などの末梢性神経障害性疼痛に対する適応はまだ認められていないので、保険での支払いはできません。
ノリトレンの成分名はノルトリプチリンである。
帯状疱疹はヘルペスウイルスの1種、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。
水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染すると、水ぼうそうとして発症します。
治療により水ぼうそうが治ったあと、水痘・帯状疱疹ウイルスは体内の神経節に潜んでいます(潜伏感染)。
その後、加齢やストレス、過労などが引き金となってウイルスに対する免疫力が低下すると、かくれていたウイルスが再び活動をはじめ、神経を伝わって皮膚までやってきて、帯状疱疹として発症することになります。
帯状疱疹を発症して、最初の頃はピリピリ、チクチクした痛みが感じられるようになります。
そしてその痛みの程度が日増しに強くなっていきます。
これはウイルスが神経細胞を痛めつけながら移動するためで、その障害の程度でいろんな痛みを感じるようになっていきます。
帯状疱疹が進行すると神経障害性の痛みが大半を占めるようになります。
痛みを抑える神経「下行性疼痛抑制神経」にはノルアドレナリン作動性神経とセロトニン作動性神経の2つの系統があります。
ノリトレンはこの2つの神経機能を高めることで一次求心性神経から二次求心性神経への痛みのバトンタッチを抑制して鎮痛作用を示します。
(ノリトレンは古くからある第一世代の三環系抗うつ薬で、時間がかかりますが作用は強めです。)
禁忌
1)緑内障のある患者(緑内障が悪化するおそれがある)
2)三環系抗うつ薬に対し過敏症のある患者
3)心筋梗塞の回復初期の患者(心筋梗塞が悪化するおそれがある)
4)尿閉(前立腺疾患など)のある患者(症状が悪化するおそれがある)
5)モノアミン酸化酵素阻害剤(エフピー(セレギリン))を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者(血中のトリプタノールの濃度が上がる)
用法用量
末梢神経障害性疼痛(帯状疱疹後神経痛など)には適応がないので正式な情報はありません、医師が補助薬として使うことがあるようです。
なので用法用量は定められていないのですが、アミトリプチリンの用法用量より推測すると以下のようだと思われます。
通常、成人には1日10mgを初期用量とし、その後、年齢、症状により適宜増減するが、1日150mgを超えないこと。
帯状疱疹後神経痛に対して投与する場合には、自殺念慮、自殺企図、敵意、攻撃性などの精神症状の発言リスクを考慮し、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
投与の急激な減少ないし投与の中止により、嘔気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害などの離脱症状があらわれることがある。投与を中止するには、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
本剤投与中の患者には、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
剤型は
錠剤
ノリトレン錠10mg 5.6円/1錠
ノリトレン錠25mg 10.8円/1錠
25mg錠はフイルムコーティングのためかまずに服用すること。
慎重投与
排尿困難のある患者(症状が悪化するおそれがある)
眼内圧亢進のある患者(症状が悪化するおそれがある)
心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害など)などの心疾患のある患者(症状が悪化するおそれがある)
甲状腺機能亢進症の患者(循環器系に影響を及ぼすことがある)
てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの既往歴のある患者(けいれんを起こすことがある)
躁鬱病患者(躁転、自殺企図があらわれることがある)
脳の器質障害または総合失調症の素因のある患者(精神症状を憎悪させることがある)
衝動性が高い併存障害を有する患者(精神症状を憎悪させることがある)
自殺念慮または自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者(自殺念慮、自殺企図があらわれることがある)
アーテン(トリヘキシフェニジル)、セレネース(ハロペリドール)などとの併用で口渇、便秘、排尿困難、眼内圧亢進などがあらわれることがある。
チオペンタールなど(バルビルツール酸誘導体)、アルコールとの併用で中枢神経抑制作用が増強されることがある。
アドレナリンやノルアドレナリンなどとの併用でアドレナリン作動薬の作用が増強されることがある。
イスメリン(グアネチジン硫酸塩)、ベンゾキシン(硫酸ベタニジン)との併用で降圧剤の作用を減弱することがある。
リファジン(リファンピシン)などとの併用でノリトレンの作用が減弱するおそれがある。
バクタ(スルファメトキサゾール・トリメトプリム )との併用でノリトレンの作用が減弱するおそれがある。
キニジンとの併用でノリトレンの作用が増強するおそれがある。
ワーファリン(ワルファリンカリウム)との併用で抗凝血作用を増強するおそれがある。
インスリン、経口血糖降下剤との併用で血糖降下作用が増強されることがある。
高齢者では、起立性低血圧、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼内圧亢進などがあらわれやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
小児に対する安全性は確立していない。
薬としての効果
ノリトレンは帯状疱疹の独特の痛みである神経障害性疼痛に第一選択薬として出されることのあるお薬である。
まだ正式には末梢神経障害性疼痛(帯状疱疹後神経痛など)の適用が認められていないので、補助的に使うことが多く、使用の効果についてのデーターほとんどないようです。
口渇など副作用が出やすい藥のようです。
副作用について
主な副作用としては、口渇(14.8%)、眠気(4.4%)、便秘(3.1%)である。
その他では血圧降下、不眠、振戦などのパーキンソン症状、焦燥、食欲不振、めまい、頭痛、倦怠感などがあります。
重大な副作用では(滅多にないですが)
てんかん発作
無顆粒球症(発熱やだるさが出たりします)
麻痺性イレウス(便とガスがたまり腸管が拡張)
類薬で報告されている重大な副作用
悪性症候群(急激な体温上昇や意識障害など)
抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(体内に水分がたまってしまう状態)
心室性頻拍(四環系抗うつ剤(マプロチリン)で報告されている)
まとめ
帯状疱疹の独特な痛みを改善する薬の補助として処方されることがあるノリトレンはまだ十分な治療データがないようです。
口渇など副作用が出やすいお薬になりますから慎重に投与することになりそうです。
飲み合わせの悪い薬があるので、事前に服用していた薬について医師に伝えておくべきです。
ノリトレンはジェネリック医薬品はがありません、薬価が非常に安いので必要性はなさそうです。