ニキビは誰もが経験する身近な皮膚の疾患です。
若いころに発症することが多いので「青春の象徴」と呼ばれることもあります。
年齢が上がるにつれ、自然となくなっていくために病気という認識があまりないのですが、医療機関でも治療ができます。
ニキビ治療薬ディフェリンゲルとは 薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
ニキビ治療薬ディフェリンゲルとは
日本では2008年10月より販売されている、ニキビの時に使われる薬である「ディフェリンゲル」。
この薬剤にはジェネリック医薬品が発売されているので薬剤費を抑えることができます。
ディフェリンゲルの成分名はアダパレンです。
ニキビとは、おでこ、頬、口のまわり、下あご、背中や胸の中央など皮脂分泌量の多い皮膚に生じる発疹で、面皰(めんぽう)と呼ばれる毛穴に角質や皮脂がつまった皮疹のことをいいます。
ニキビができる原因は諸説がありますが、詳細は解明されていない。
毛穴が男性ホルモンと細菌(皮膚常在菌:アクネ菌)と皮脂との相互作用で炎症を起こすという説が有力とされています。
治療には毛穴を広げることなどで皮脂などの排泄を促進したり、皮脂の中で繁殖している雑菌やアクネ菌を殺菌したりします。
ディフェリンゲルは毛穴を広げることでニキビを改善することになります。
禁忌
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
用法用量
尋常性ざ瘡(ニキビ)
1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。
剤型
ゲル状軟膏
ディフェリンゲル0.1% 120.9円/1g
顔面の尋常性ざ瘡(ニキビ)にのみ使用すること。(安全性が確認されていない)
就寝前に使用すること。
治療開始3ヶ月以内に症状の改善が認められない場合には使用を中止すること。
漫然と使用しないこと。
切り傷、擦り傷、湿疹のある皮膚には使わないこと。
眼、口唇、鼻翼及び粘膜を避けること、眼に入った場合は直ちに水で洗い流すこと。
過度の紫外線にはさらさないようにすること。(日焼けランプなど)
使用中には皮膚乾燥、皮膚不快感、皮膚剥脱、紅斑、そう痒があらわれることがある。一過性でない場合には必要に応じて休薬すること。
結節および嚢腫には、他の適切な処置を行うこと。
36歳以上の患者に対する使用経験がない。
慎重投与
他の刺激性のある外用剤(イオウ、レゾルシン、サリチル酸を含む薬剤など)との併用の際には皮膚刺激感が増すおそれがあるので注意すること。
授乳中の婦人には使用しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には授乳を避けさせること。(動物実験にて乳汁移行が報告されている)
12歳未満の小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない)
薬としての効果
アダパレンは毛穴を広げて皮脂のつまりを予防することでニキビを予防します。
非炎症性のニキビ(白ニキビ、黒ニキビ)に効果があります。
アダパレンはレチノイド(ビタミンA誘導体)と似た構造の第3世代合成レチノイドといわれています。
レチノイドは角質剥離、表皮ターンオーバー促進、皮脂分泌抑制、繊維芽細胞を活性化など様々な効果をもっています。
そのため美容皮膚科でにきびの他、しみやたるみ、毛穴などの悩みに対して広く使われています。
ただ、外用剤ではほとんど吸収されないのですが、レチノイド類は催奇形性の副作用を持っているため注意が必要になります。
第3世代とされているアダパレンは効果発現は早い目で、副作用が少ないとされています。(同じ濃度なら)
ただ、この製剤は0.1%製剤なので角質剥離(ピーリング作用)については、充分な効果が出るまで時間がかかってしまいます。
副作用について
主な副作用は、皮膚乾燥(56.1%)、皮膚不快感(47.6%)、皮膚剥脱(33.5%)、紅斑(21.9%)、そう痒症(13.2%)、湿疹(2.0%)、ざ瘡(1.3%)、接触性皮膚炎(1.3%)、皮膚刺激(1.1%)である。(薬品承認時)
その他の副作用は皮脂欠乏症、眼瞼炎、水疱、皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、皮膚疼痛、発疹、そう痒性皮疹、脂漏性皮膚炎、皮膚浮腫、顔面腫脹、じんましん、乾皮症、単純ヘルペス、血中ビリルビン増加、GOT増加、GPT増加、γ-GTP増加、血中コレステロール増加などである。
まとめ
ニキビの治療薬であるディフェリンゲルは毛穴を広げて皮脂のつまりを予防することでニキビを予防します。
副作用リスクを回避するために、濃度を抑えた0.1%としているため、効果が出にくいこともあるようです。
非炎症性のニキビに効果があり。炎症性のニキビには内服の抗菌薬とともに使用されることがあります。
主な副作用は、皮膚乾燥(56.1%)、皮膚不快感(47.6%)、皮膚剥脱(33.5%)、紅斑(21.9%)、そう痒症(13.2%)、湿疹(2.0%)、ざ瘡(1.3%)、接触性皮膚炎(1.3%)、皮膚刺激(1.1%)である。
一時的なものでなく、ひどくなるようでしたら、早めに医師に受診して相談してください。