ニキビは誰もが経験する身近な皮膚の疾患です。
若いころに発症することが多いので「青春の象徴」と呼ばれることもあります。
年齢が上がるにつれ、自然となくなっていくために病気という認識があまりないのですが、医療機関でも治療ができます。
ニキビ治療に出されるファロムとは薬としての効果と副作用について紹介します。
ニキビ治療に出されるファロムとは
日本では1997年6月より販売されている、ニキビの時に使われる薬である「ファロム」。
この薬剤にはジェネリック医薬品が発売されていないので薬剤費を抑えることができません。
ファロムの成分名はファロペネムです。
にきびとは、おでこ、頬、口のまわり、下あご、背中や胸の中央など皮脂分泌量の多い皮膚に生じる発疹で、面皰(めんぽう)と呼ばれる毛穴に角質や皮脂がつまった皮疹のことをいいます。
にきびができる原因は諸説がありますが、詳細は解明されていない。
毛穴が男性ホルモンと細菌(皮膚常在菌:アクネ菌)と皮脂との相互作用で炎症を起こすという説が有力とされています。
治療は毛穴を広げることなどで皮脂などの排泄を促進したり、皮脂の中で繁殖している雑菌やアクネ菌を殺菌したりします。
ファロムは皮脂の中で繁殖している雑菌やアクネ菌を殺菌して細菌による化膿性炎症をともなうニキビを改善することになります。
禁忌
1)本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
原則禁忌(投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与する)
1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
用法用量
ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)(他にも適用あり)
通常、成人にはファロペネムナトリウム水和物として1回150~200mgを1日3回経口投与する。
なお、年齢および症状により適宜増減する。
剤型
錠剤
ファロム錠150mg 61.9円/1錠
ファロム錠200mg 62.8円/1錠
散剤
ファロムドライシロップ小児用10%100mg 133.9円/1g
耐性菌の発現に注意し、原則として感受性を確認し、治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
慎重投与
ペニシリン系、セフェム系またはカルバぺネム系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
本人または両親、兄弟に気管支喘息、発疹、じんましんなどのアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
高度の腎障害のある患者(本剤は主に腎排泄なために注意を要する)
経口摂取の不良な患者または非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者(ビタミンK欠乏症状があらわれることがある)
ショックがあらわれるおそれがあるので、注意すること。
下痢・軟便があらわれた場合には、本剤の投与を中止するなどお適切な処置を行うこと、特に高齢者には注意を要する。
チエナム(イミペネム・シラスタチンナトリウム)との併用で本剤の血中濃度が上昇することが報告されている。
ラシックス(フロセミド)との併用で本剤の腎毒性が増強されることが報告されてる。
デパケン(バルプロ酸ナトリウム)とカルバぺネム系薬剤の併用ではバルプロ酸ナトリウムの血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発するとの報告があるので慎重に投与すること。
高齢者に投与するには生理機能が低下している場合が多く、副作用(下痢、軟便、ビタミンK欠乏など)が発現しやすいので注意を要する。
妊娠または妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること。
本剤投与中の授乳は避けさせること。
小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない)
薬としての効果
ファロムは皮脂の中で繁殖している雑菌やアクネ菌を殺菌して細菌による化膿性炎症をともなうニキビを改善することになります。
ざ瘡に対する効果に関しては、ミノマイシン、ルリッドと比べて有意差がなかったとの報告があります。
結節や嚢腫を伴う重症例では、外用のざ瘡治療薬と併用して使われることがあります。
副作用について
主な副作用は、下痢(2.5%)、腹痛(0.9%)、軟便(0.7%)、発疹(0.6%)、嘔気(0.5%)、GPT上昇(3.4%)、GOT上昇(2.2%)、好酸球増多(1.8%)などである。(医薬品承認時)
その他副作用は、発熱、じんましん、カンジダ症、口内炎、ビタミンK欠乏症(出血傾向など)、BUN・クレアチニンの上昇、ほてり、めまい、頭痛、眠気、食欲不振などがあります。
重大な副作用
ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー様症状
急性腎不全
偽膜性大腸炎などの血便を伴う重篤な大腸炎
ひどい皮膚症状
間質性肺炎(肺胞隔壁に起こる炎症が主で、息を吸っても吸った感じがせず、常に息苦しい、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常などを伴う)
肝機能障害、黄疸(0.1%未満)
無顆粒球症(好中球数が500個/μℓ以下まで減少して、感染症、特に日和見感染症を起こしやすくなる)
横紋筋融解症(筋肉痛、脱力感があらわれ、次第に疼痛や麻痺・筋力減退・赤褐色尿などがあらわれる)
類薬で起きている重大な副作用
PIE症候群:白血球のうち好酸球が増加し、肺浸潤や喘息発作などの症状を呈する病気、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多などを伴う
まとめ
ファロムは皮脂の中で繁殖している雑菌やアクネ菌を殺菌して細菌による化膿性炎症をともなうニキビを改善することになります。
ざ瘡に対する効果に関しては、ミノマイシン、ルリッドと比べて有意差がなかったとの報告があります。
結節や嚢腫を伴う重症例では、外用のざ瘡治療薬と併用して使われることがあります。
主な副作用は、下痢(2.5%)、腹痛(0.9%)、軟便(0.7%)、発疹(0.6%)、嘔気(0.5%)、GPT上昇(3.4%)、GOT上昇(2.2%)、好酸球増多(1.8%)などである。
長期に服用する場合、極めてまれですが、腎不全、血液障害、大腸炎、皮膚障害などの副作用の可能性がありますので注意してください。