インフルエンザウイルスによる肺炎は重症になりやすいといわれています。
なので、そのような肺炎を予防するのが大事とされています。
その原因をつきとめ対策することがインフルエンザウイルスによる重症化と死亡を減らすことになるのです。
インフルエンザによるウイルス性肺炎についてと、その原因と、予防について紹介します。
Contents
インフルエンザによるウイルス性肺炎とは
インフルエンザによるウイルス性の肺炎は重症化しやすいとされています。
そのような症状を出さないようにすることが疾病管理上優先されています。
A型のインフルエンザウイルスはウイルス性の肺炎を起こしうるウイルスとされています。
ウイルス性の肺炎というのは、ウイルスが肺の組織に感染して、そこで増殖することで起こります。
新型のインフルエンザが流行るときにそのようなことが起こるとされていますが。
なぜ、そのようになるのでしょうか。
それは、新型のインフルエンザウイルスがほとんどの人が免疫をもっていないという状況なのでかかりやすいという理由だけでは説明がつきません。
ウイルスが実際に肺の組織に感染してそこで増殖しやすくなっていることが必要なのです。
人間の体に発現しているインフルエンザウイルスの受容体には2種類あります。
1つは鳥インフルエンザウイルスに親和性がある(くっつきやすい)もの、もう1つは人のインフルエンザウイルスに親和性があるものになります。
それらのウイルスの受容体の分布には違いがあり、
人のインフルエンザウイルスの受容体は、主に上気道(のど、扁桃腺、鼻粘膜など)に分布し、鳥のインフルエンザウイルスの受容体は、肺胞上皮などの下気道に分布しています。
つまりは流行しているインフルエンザウイルスが人と鳥のウイルスの受容体双方に親和性がある(くっつきやすい)ことが肺の組織に感染してウイルス性肺炎を起こしうる条件になります。
その原因とは
A型インフルエンザウイルスは人だけでなくさまざまな哺乳類や鳥類にも感染し病気を起こすことが知られています。
インフルエンザウイルスの倉庫はアラスカやシベリアなどの北方の湖沼で、そこからカモが南方へウイルスを運んできているのですが。
(もちろん、カモはインフルエンザウイルスには感染しません。健康な状態で保持しているだけです。)
越冬のために南方に行き、南方でそのカモの近くにいた感受性の高い水鳥や七面鳥、うずらなどの鳥類に感染します。
ところが、このカモのインフルエンザウイルスがニワトリの集団の中に入り感染が広がると厄介なことになります。
ニワトリは人間の食料として、卵の生産や鶏肉のために大量に、かつ密集した環境に何十万羽という単位で飼育されているのです。
その中へ鳥インフルエンザウイルスが入り感染が続くと、同じ種類の動物で感染を続けるためにニワトリの間で増殖しやすいウイルスに変異してしまいます。
インフルエンザウイルスは、その環境に適応して、与えられた環境で増えやすくなるので、ニワトリの集団の中で長期間の流行を繰り返すうちにニワトリを全滅させてしまうようなウイルスをつくりだしてしまうのです。
人間では約3万年間に相当する変化をこのような環境の中でつくりだしてしまうことになります。
このようなインフルエンザウイルスが人間に感受性をもつ(かかりやすい)ようになればどのようなことになるか簡単に想像がつきます。
予防について
日本でも時々ニワトリの駆除がされているという情報がニュースとなって知ることになりますが。
このような時にはニワトリを大量に飼っているところでのウイルスの定着を防ぐために、早期に発見し、確実に淘汰することが必要になります。
なぜなら、その中から人へかかったりすることがあったりすると人間での病原性のあるものがつくりだされることがありえるし、かつ、今はない、人から人へうつるウイルスもつくりだされる可能性があるということです。
インフルエンザに対する完全な特効薬がない現在においてはこのようなことで予防するしかないのが現状です。
まとめ
人間の都合だけでニワトリを高度に集団化させる状況をつくりだし、結果的に危険な病原体をまねいてしまうことになってしまう可能性ができてしまいましたが、なんとしても人間に対して重篤な肺炎をもたらし、なおかつ人間の間で感染をくりかえすようなインフルエンザウイルスをつくらないようにしなければならないでしょう。