生活習慣病の糖尿病の治療において処方されることのあるメトグルコ。
経口血糖降下薬としてはビグアナイド系のものになります。
ビグアナイド系の中で主に使用されている薬で調剤薬局で調剤されることが最近増えている方です。
糖尿病用剤メトグルコとは 薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
糖尿病用剤シュアポストとは
日本では2010年5月より販売されている、肝臓からのインスリン分泌促進作用をもたないビグアナイド類の一つである「メトグルコ」。
ジェネリック医薬品は発売されていますから、薬の負担を減らそうとしてジェネリック医薬品の選択ができます。
メトグルコの成分名はメトホルミン塩酸塩である。
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンの量が不足したり作用が弱まったりして血液中の糖分「血糖」が上がってしまう病気です。
血液中の糖分「血糖」は、膵臓から分泌されるインスリンで調節されています。
インスリンは膵臓にあるランゲルハンス島にあるβ細胞でつくられています。
食事などで血糖値が上昇すると、膵臓のβ細胞が働いてインスリンを分泌します。
そのインスリンは全身の臓器にとどくと、血糖を取り込んでエネルギーとして利用したり、たくわえたり、タンパク質の合成や細胞の増殖を促進したりします。
このように取り込まれた血糖はインスリンによって速やかに処理され血液中に一定の濃度で保たれています。
そのインスリンの量が不足したり働きが悪くなったりすると血液中の血糖を一定に保てなくなり糖尿病になるのです。
メトグルコはインスリンの分泌促進作用はなく、肝臓からの糖放出抑制や末梢での糖取り込みの促進、消化管の糖吸収抑制により血糖を降下させることになります。
警告
重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがあり、死亡に至った例も報告がある。乳酸アシドーシスを起こしやすい患者には投与しないこと。
腎機能障害または肝機能障害のある患者、高齢者に投与する場合には、定期的に腎機能や肝機能を確認するなど慎重に投与すること、特に75歳以上の高齢者では、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
禁忌
乳酸アシドーシスの既往がある場合
中等度以上の腎機能障害(腎臓における本剤の排泄が減少する)
透析患者(腹膜透析を含む)(高い血中濃度が持続するおそれ)
重度の肝機能障害(肝臓における乳酸の代謝能が低下する)
ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓等心血管系、肺機能に高度の障害のある患者及びその他の低酸素血症を伴いやすい状態(乳酸酸性が増加ずる)
過度のアルコール摂取者(肝臓における乳酸の代謝能が低下する)
脱水症、脱水状態が懸念される下痢、嘔吐などの胃腸障害のある患者
重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病の患者(インスリンの適用である)
重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者(インスリンの適応である)
栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全または副腎機能不全の患者
本剤の成分またはビグアナイド系薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者
妊婦または妊娠している可能性のある婦人
用法用量
2型糖尿病
以下のいずれかの治療で十分な効果が得られない場合に限る。
1.食事療法・運動療法のみ
2.食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用
*メトホルミン塩酸塩として、通常成人では1日500mgより開始し、1日2~3回に分割して食直前または食後に経口投与する。
維持用量は効果を観察しながら決めるが、通常1回750~1500mgとする。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最高投与量は2250mgまでとする。
*通常、10歳以上の小児にはメトホルミン塩酸塩として1日500mgより開始し、1日2~3回に分割して食直前または食後に経口投与する。
維持用量は効果を観察しながら決めるが、通常1回500~1500mgとする。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最高投与量は2000mgまでとする。
剤型
錠剤
メトグルコ錠250mg 9.90円/1錠
メトグルコ錠500mg 16.70円/1錠(2013年8月発売)
糖尿病であることが確立した患者に対してのみ適用を考えること(他の疾患でないことを確認する)
食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与する時は注意すること。
常に投与の継続性の可否、投与量、薬剤の選択に注意すること。
本剤を3~4ヶ月投与しても効果が不十分な場合はより適切な治療への変更を検討すること。
重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、過度のアルコール摂取を避けたり、発熱、下痢、嘔吐、食事摂取不良などによる脱水状態に注意すること。
ヨード造影剤を用いて検査を行う患者においては、本剤の投与を一時的に中止すること、ヨード造影剤投与後48時間は本剤の投与を再開しないこと。(乳酸アシドーシスを起こすおそれがある)
利尿作用を有する薬剤(利尿剤、SGLT2阻害剤など)との併用には、特に脱水に注意する。(乳酸アシドーシスを起こすおそれがある)
腎機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇する、腎機能や患者の状態に十分注意して投与の適否や投与量の調節を検討すること。特に高齢者などには慎重に対応すること。
肝機能障害のある患者では肝臓における乳酸の代謝能が低下する可能性があるので、定期的に肝機能を確認すること。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤を併用すると低血糖が起こりやすいとの報告がある。
慎重投与
不規則な食事摂取、食事摂取量の不足(低血糖を起こすおそれがある)
激しい筋肉運動をしている状態(低血糖を起こすおそれがある)
軽度の腎機能障害(乳酸アシドーシスを起こすおそれがある)
軽度~中等度の肝機能障害(乳酸アシドーシスを起こすおそれがある)
感染症(乳酸アシドーシスを起こすおそれがある)
ヨード造影剤との併用で乳酸アシドーシスを起こすことがある。
腎毒性の強い抗生物質(ゲンタマイシンなど)との併用で乳酸アシドーシスを起こすことがある。
利尿作用を有する薬剤(利尿剤、SGLT2阻害剤など)との併用で乳酸アシドーシスを起こすことがある。
シメチジンとの併用で相互の血中濃度が上昇し、それぞれの作用が増強されるおそれがある。
血糖降下作用を増強する薬剤などと併用する場合は血糖降下作用の増強による低血糖症状に注意すること。
低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣など)
対象薬剤
インスリン製剤、SU剤(スルホニルウレア剤)、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボースなど)、インスリン抵抗性改善薬(ビオグリタゾン、トログリタゾンなど)、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、β-遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール、ピンドロールなど)、MAO阻害剤、サリチル酸製剤(アスピリン、アスピリン・ダイアルミネート、など)、タンパク同化ホルモン剤、グアネチジン、テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン塩酸塩、ミノサイクリン塩酸塩など)
血糖降下作用を減弱する薬剤と併用する場合は血糖降下作用を減弱による高血糖症状に注意すること
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭など)
対象薬剤
アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、卵胞ホルモン、利尿剤(チアジド系、クロルタリドン、フロセミドなど)、ピラジナミド、イソニアジド、ニコチン酸、フェノチアジン系薬剤、など
高齢者など生理機能の低下が懸念される患者に対しては、脱水症状を起こしやすいことを考慮し用量を調節するなどして、慎重に投与すること。(乳酸アシドーシスを起こすことがある。)
授乳中の婦人には投与は避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していない。(使用経験はない)
薬としての効果
メトグルコはインスリンの分泌促進作用はなく、肝臓からの糖放出抑制や末梢での糖取り込みの促進、消化管の糖吸収抑制により血糖を降下させることになります。(インスリン抵抗性改善)
主な作用は、肝臓での糖分の生成抑制によるものとなります。
特には肥満型の2型糖尿病に向くとされています。(体重増加を助長しない)
日本では、乳酸アシドーシスの副作用での問題から長い間使用されていませんでしたが、近年見直されて使用されることが多くなりました。
このお薬はビグアナイト系の中では、乳酸アシドーシスの発現が少ない方で、比較的安全性が高いです。
単独で用いられるほか、作用が違う別系統と併用することが多くなりました。(SU剤やDPP-4阻害薬など)
副作用について
主な副作用としては、下痢(40.9%)、悪心(15.2%)、食欲不振(12.3%)、腹痛(10.5%)などである。(成人、承認時)
その他では、消化不良、嘔吐、肝機能異常、乳酸上昇、などがあります。
重大な副作用
乳酸アシドーシス
低血糖(1~5%未満)
肝機能障害、黄疸
横紋筋融解症
まとめ
メトグルコはインスリンの分泌促進作用はなく、肝臓からの糖放出抑制や末梢での糖取り込みの促進、消化管の糖吸収抑制により血糖を降下させることになります。(インスリン抵抗性改善)
主な作用は、肝臓での糖分の生成抑制によるものとなります。
特には肥満型の2型糖尿病に向くとされています。(体重増加を助長しない)
日本では、乳酸アシドーシスの副作用での問題から長い間使用されていませんでしたが、近年見直されて使用されることが多くなりました。
このお薬はビグアナイト系の中では、乳酸アシドーシスの発現が少ない方で、比較的安全性が高いです。
単独で用いられるほか、作用が違う別系統と併用することが多くなりました。(SU剤やDPP-4阻害薬など)
主な副作用としては、、下痢(40.9%)、悪心(15.2%)、食欲不振(12.3%)、腹痛(10.5%)などがあり。
乳酸アシドーシスはこの薬特有の副作用で注意を要します。また低血糖も起こすおそれもあります。