日常生活でおしっこが急にしたくなったことがありませんか。
問題がおしっこだけに恥ずかしくて相談しずらいということはないでしょうか。
日常生活に不便を感じていたらお医者さんに相談してもいいかもしれませんよ。
過活動膀胱治療薬デトルシトールとは、薬としての効果と副作用について紹介します。
Contents
過活動膀胱治療薬デトルシトールとは
外資系のファイザー社により開発され2006年6月より日本でも販売が開始されている過活動膀胱の治療薬の1つである「デトルシトール」。
まだ、ジェネリック医薬品が発売されていないので、支払いを安くすることができません。
デトルシトールの名前は、英語で「排尿筋」を意味する「デトルソル?(Detrusor)」を「コントロール(Control)」するということからきています。
デトルシトール(Detrusitol)となったわけです。
デトルシトールの成分名は酒石酸トルテロジンです。
過活動膀胱と言っても何?と思われるかもしれませんね。
「急におしっこがしたくなる」
「夜間に何度もトイレに起きる」
「すぐにまたおしっこがしたくなる」
「我慢しきれず漏らすことも」
なんてことがあれば過活動膀胱の症状かもしれないなと思いましょう。
上記のような症状は頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、尿漏れとも表現できます。
このような症状に苦しんでいる人が日本国内に1040万人もいると推定されている。
今後、高齢化が進むにつれ、もっと増えることになります。
なんとかしないといけないですね。
尿が溜まるまでに膀胱が収縮してしまう、つまりは過活動な膀胱なのです。
なぜ、そのようになるのかは原因はいろいろあります。
「トイレが近い」の原因となるものには、
膀胱炎、前立腺炎、前立腺肥大症、腹圧性尿失禁、膀胱結石、膀胱や前立腺のがん、間質性膀胱炎、糖尿病、脳卒中の後遺症、脊髄の病気、睡眠障害、降圧利尿薬・α遮断薬の副作用、過剰な水分摂取、精神的な緊張や不安、加齢など
さまざまです。
「トイレが近い」の原因をいろいろ書いたので、中には怖いものもありますが、気にはしないでください、ありえるものを網羅したので、あなたがそうだとは限りませんから。
このようなことが原因でトイレが近くなるのですが、この原因をつきとめて治療をしたところで改善がされないことがあるのです。
その時は、過活動膀胱になっているんじゃと疑いましょう。
過活動膀胱の原因ははっきりしていません、加齢、精神的なストレス、膀胱のセンサーが過敏になってる、脳の中にある排尿をつかさどる部分や自律神経の乱れ、などが複雑にからみあっているのでしょう。
さて、過活動膀胱と診断された場合に、男性の薬物治療においては前立腺肥大症がかかわっていることが多く、α1アドレナリン受容体阻害薬を投与することが多いです。
前立腺肥大症がおさまっていけば、過活動膀胱の症状もしだいにおさまっていくことが多いのですが、そうでない人もいるので、その時は抗コリン薬などで治療となっています。
女性の薬物治療においては抗コリン薬を投与することが一般的でした。
抗コリン薬は膀胱にあるムスカリン受容体に作用してアセチルコリンの神経伝達を阻止することで膀胱の異常な収縮が起きないようにするための薬になります。
デトルシトールは、膀胱平滑筋に存在するムスカリン受容体をブロックすることで膀胱の不随意な排尿筋の収縮を抑制し過活動膀胱の症状を改善します。
禁忌
本剤の成分あるいはフェソテロジンフマル酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者
尿閉(慢性尿閉にともなう溢流性尿失禁を含む)を有する患者(症状が悪化するおそれがある)
*溢流性尿失禁・・・高齢の男性に多い、排尿困難で尿を出しきれないために、常に残尿があり、膀胱がいっぱいになるとあふれてもれること。
眼圧が調節できない閉塞隅角緑内障の患者(症状が悪化するおそれがある)
麻痺性イレウスのある患者(症状が悪化するおそれがある)
胃アトニー又は腸アトニーのある患者(症状が悪化するおそれがある)
重症筋無力症の患者(症状が悪化するおそれがある)
重篤な心疾患の患者(症状が悪化するおそれがある、過量投与でQTの延長がみられる)
用法用量
過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿および切迫性尿失禁
通常、成人には酒石酸トルテロジンとして1日1回4mgを経口投与する。
なお、患者の忍容性により減量する。
腎障害がある患者、肝障害がある患者、またはマクロライド系抗生物質(クラリス、クラリシッド、エリスロマイシンなど)およびアゾール系抗真菌薬(イトリゾールなど)などを併用している患者では酒石酸トルテロジンとして1日1回2mgを経口投与する。
剤型
カプセル剤
デトルシトールカプセル2mg 108.00円/1カプセル
デトルシトールカプセル4mg 181.40円/1カプセル
慎重投与
尿閉を発症するおそれのある患者(尿閉をまねくおそれがある)
排尿困難のある前立腺肥大の患者(症状が悪化するおそれがある)
胃腸管運動が低下するおそれのある患者(腸管の閉塞をまねくおそれがある)
潰瘍性大腸炎のある患者(中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある)
眼圧が調節可能な閉塞隅角緑内障の患者(眼圧の上昇をまねき、症状を悪化させるおそれがある)
狭心症などの虚血性心疾患のある患者(頻脈が生じ、症状を悪化させるおそれがある)
クラスⅠA(キニジン、プロカインアミドなど)またはクラスⅢ(アミオダロン、ソタロールなど)の抗不整脈薬を投与中の患者を含むQT延長症候群患者では過量投与に注意する(QT延長が起きるおそれがある)
甲状腺機能亢進症の患者(頻脈などの交感神経興奮症状が悪化するおそれがある)
腎障害のある患者(本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)
肝障害のある患者(本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)
認知症または認知機能障害のある患者(症状が悪化するおそれがある、また、過活動膀胱の症状を明確に認識できない場合には本剤の投与対象にならない)
パーキンソン症状または脳血管障害のある患者(症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある)
眼調節障害(霧視など)、傾眠が起こることがあるので、高所作業、自動車の運転など危険を伴う作業に従事する場合には注意する。
過活動膀胱の適応を有する選択的β3アドレナリン受容体作動薬と併用する際は尿閉などの副作用の発現に十分注意すること。
効果が認められない時は、漫然と投与を続けず、他の適切な治療を考慮すること。
アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール(イトリゾール)、ミコナゾール(フロリード)など)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン(エリスロシン)、クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)、シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)、ビンプラスチン(エクザール)との併用で本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
抗コリン作用を有する、フェノチアジン系(ペルフェナジン(ピーゼットシー、トリラホン)など)・ブチロフェノン系抗精神病薬、三環系抗うつ薬(アミトリプチリン(トリプタノール)、ノルトリプチリン(ノリトレン)、イミプラミン(トフラニール)など)、抗不整脈薬(リスモダン)、抗パーキンソン剤、消化性潰瘍治療剤、抗ヒスタミン薬などとの併用で抗コリン作用を増強されるおそれがある。
高齢者は生理機能が低下していることが多いので、副作用が出やすく、本剤の投与には慎重に対応すること。
妊婦および妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること。(動物実験では高濃度で有害事例が示されている)
授乳中の婦人には本剤投与中の授乳を避けること。(動物実験でわずかな乳汁移行が報告されていている)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児などに対する安全性は確立していない。
薬としての効果
デトルシトールは、日本で初めて「過活動膀胱」の効能・効果が認められた抗コリン薬です。
過活動膀胱の薬として、世界でも広く使われています。
ムスカリン受容体の膀胱選択性が高いことから、口渇などの副作用が比較的少ないです。
徐放性製剤(カプセル剤)のため1日1回の服用で済むので服用しやすいです。
副作用について
主な副作用としては、口渇、口内乾燥、便秘、消化不良、腹痛、排尿困難、尿閉、等である。
その他では、嘔気、鼓腸放屁、下痢、腹部不快感、嘔吐、頭痛、傾眠、めまい、幻覚、健忘、失見当識、心悸亢進、頻脈、QT延長、排尿困難、尿失禁、皮膚乾燥、発疹、眼球乾燥、疲労、鼻炎、浮腫、視覚異常、霧視、潮紅、などがあります。
重大な副作用
アナフィラキシー
尿閉(0.3%)
まとめ
デトルシトールは、日本で初めて「過活動膀胱」の効能・効果が認められた抗コリン薬です。
過活動膀胱の薬として、世界でも広く使われています。
ムスカリン受容体の膀胱選択性が高いことから、口渇などの副作用が比較的少ないです。
徐放性製剤(カプセル剤)のため1日1回の服用で済むので服用しやすいです。
主な副作用としては、口渇、口内乾燥、便秘、消化不良、腹痛、排尿困難、尿閉、等です。
他には頭痛、眠気、霧視(かすみ目)、めまいなどが出ることがあるでしょう。
また、高齢者では一時的に認知症のような症状が出ることがあります。
重い副作用はめったにないですが、アナフィラキシーや尿閉などに注意しておきましょう。